【少額随意契約】予定価格・判断基準・見積もり合わせ・契約手順

少額随意契約の金額・判断基準・見積もり合わせ・契約手順について予決令・会計法を元にまとめました。

スポンサーリンク

【はじめに】少額随意契約とは

少額随意契約とは、予定価格が少額(賃貸借80万円、役務提供100万円、物品購入160万円、工事・物品製造250万円以下)な随意契約のことです。
少額随意契約は、「競争性の有無」で手続きが異なります。

競争性 対象となる要件等 審査内容(契約審査会等) 補足
競争性のない契約 ■「契約相手先」or「製品」を指定する ■省略可 ■「契約相手先」or「製品指定」の選定理由が必要
競争性のある契約 ■「契約相手先」「製品」を指定しない ■省略可 ■「見積合わせ」or「公開見積合わせ」が必要

競争性のない少額随意契約は、「予定価格が少額」かつ「法令等の理由から契約相手先 or 製品が特定の1社に指定される」場合の随意契約です。
この場合、「契約審査会等で競争性がない理由を明示し承認を受ける必要」があります。

少額随意契約(競争性のある契約)は、予定価格が少額の場合に、二以上の者から見積書を徴取して契約者を決める方式です。

【少額随意契約】予定価格の範囲

少額随意契約を締結できる予定価格(金額)の範囲は、契約の「種類」「官庁」によって異なります。

種類 国・特定独法・都道府県・政令指定都市 中核市以下の市町村 根拠条文
工事又は製造
(支出契約)
250万円 130万円 ・予決令第99条第2号
・地方自治法施行令別表第5
・改修or修繕工事
・パンフレット、出版物等の印刷
財産購入
(支出契約)
160万円 80万円 ・予決令第99条第3号
・地方自治法施行令別表第5
・資産(物品)
・消耗品等の購入
物件借入
(支出契約)
80万円 40万円 ・予決令第99条第4号
・地方自治法施行令別表第5
・OA機器のリース
・倉庫の借り上げ
財産売払
(収入契約)
50万円 30万円 ・予決令第99条第5号
・地方自治法施行令別表第5
・不用資産(物品)等の売り払い
物件貸付
(収入契約)
30万円 30万円 ・予決令第99条第6号
・地方自治法施行令別表第5
・試験器機等の貸し付け
その他の役務
(支出契約)
100万円 50万円 ・予決令第99条第7号
・地方自治法施行令別表第5
・システム開発・運用管理
・清掃業者
・保険

最もよくある契約は、少額随意契約の「財産購入」です。
国・特定独法・都道府県・政令指定都市では、160万円以下の物品購入(パソコンや棚など)は少額随意契約を行うことができます。
もちろん、あえて少額随意契約とせず、「入札」で契約することも可能です。

【少額随意契約】見積合わせとは

少額随意契約を実施する場合、競争性をもたせるために「見積合わせ」を行うことが会計法で定められています。

予算決算及び会計令

(見積書の徴取)
第九十九条の六  契約担当官等は、随意契約によろうとするときは、なるべく二人以上の者から見積書を徴さなければならない。

見積り合わせでは「契約担当者が2社以上の業者を選定し、そこから見積もりを貰い最安値を提示した業者と契約」を結びます。
入札の簡素版ですが、入札同様、見積合せを依頼する場合は、予定金額を漏らしてはいけません。(仕様書のみを提示)

【少額随意契約】契約手順(競争性あり・見積合わせ)

物品購入契約や役務契約が「少額随意契約」であることを確認したあとは、いよいよ契約を行っていきます。
官庁により若干異なりますが、競争性のある少額随意契約(見積合わせあり)の契約手順の概要は次の通り。

手順 概要
①仕様書の作成 購入する物品の仕様(品名、型式、数量、納入期限、納入場所、設置方法、支払方法などの条件を記載)を書きます。
※購入金額が5万円未満の「消耗品」や「書籍」などは、一般的に仕様書の作成は不要で、カタログのコピーを仕様書代わりに利用する官庁もあります
②仕様書の決裁 官庁によっては、作成した仕様書を決裁者に提出し、承認をもらいます。
参考見積り 業者(1社でも可)に依頼して、メール添付等で参考見積書(PDF可)を貰います。
④契約依頼書の作成 契約依頼書を作成し、「参考見積書(PDFコピー可)」「仕様書」を参考資料として添付して決裁者に提出し、承認を貰います。(契約依頼書は見積書を業者からもらう前に、「こういうものがほしい」という意思表示として作成するため、日付は「参考見積書以降」かつ「見積書以前」となります)
見積合わせ 2者以上の業者を選定し、メール等で仕様書を提示して「見積書(原本)」を依頼します(郵送してもらう)。そして、2社以上から貰った見積書(原本)の金額を比較し、最も安かった業者を契約相手に選定します。合格・不合格の結果を業者に対してメール等で伝えます。
⑥契約決議書の作成 2社以上の「見積書(原本)」から選定した業者と契約することが決定したため、「契約決議書」を作成します。
⑦発注 選定された業者に対して正式に契約することを伝えます。また、納品時に「納品書」も合わせて持ってきてもらうよう依頼します。
⑧納品・検収 業者から物品が納品されたら、物品の検査を行います。(正常に動作するか、「見積書(原本)」「納品書」と納品物を見比べて依頼どおりの物品が揃っているかを確認)
⑨支払い 検収が完了したら、契約相手の業者から「請求書(作成年月日と法人の会社印と代表者印を押印したもの)」を貰います。請求書が届いたら支払い作業を行います(通常は月末に支払い)。
注意するポイント
支払い方法 納品後に支払いを行うのが一般的なため、支払い方式は「後払い」が原則です。そのため、業者には「後払いが可能か」という点を確認しておく必要があります。
書類の日付 「見積書(原本)」「納品書」「請求書」の日付は、実際の日付で作成してもらいます。そのため、請求書・納品書≧契約決議書>契約依頼書>見積書>仕様書 の順で新しい必要があります。順番が異なると不正な契約となり、会計検査に引っかかります。
官庁によって若干異なる 今回の①~⑦の手続きは官庁によって呼び名が異なったりします。

【少額随意契約】根拠法令(会計法・予決令)

少額随意契約は「会計法第29条の3第5項」「予算決算及び会計令第99条第2項~第7号」「地方自治法施行令第167条の2第1項第1号」「地方自治法施行令別表第5」が根拠条文となっています。

会計法 第二十九条の三 5 契約に係る予定価格が少額である場合その他政令で定める場合においては、第一項及び第三項の規定にかかわらず、政令の定めるところにより、指名競争に付し又は随意契約によることができる。
予算決算及び会計令 第九十九条 第九十九条  会計法第二十九条の三第五項 の規定により随意契約によることができる場合は、次に掲げる場合とする。
二 予定価格が二百五十万円を超えない工事又は製造をさせるとき。
三 予定価格が百六十万円を超えない財産を買い入れるとき。
四 予定賃借料の年額又は総額が八十万円を超えない物件を借り入れるとき。
五 予定価格が五十万円を超えない財産を売り払うとき。
六 予定賃貸料の年額又は総額が三十万円を超えない物件を貸し付けるとき。
七 工事又は製造の請負、財産の売買及び物件の貸借以外の契約でその予定価格が百万円を超えないものをするとき。
【参考】予算決算及び会計令(第七章)

※参考:【予決令とは】予算決算及び会計令(入札・随意契約との関係)

関連ページ
1 【公務員】会計事務手続き 入門
スポンサーリンク
関連記事